人気ブログランキング | 話題のタグを見る

映画 危険な年 (1982)

危険な年(ピーター・ウィアー監督)  1983年の古い映画。

最近興味を持っている島嶼東南アジア 
マレーシアでスカルノが失権した当時が舞台。
主演がマッドマックスの後のメルギブソンと
エイリアンの後のシガーニィ ウイーバー。
主演には興味がなかったのですが
看板スターとは別に
実際の主演はリンダ・ハント。
なんと男役。(アカデミー助演女優賞獲得)
ドワーフというハンディを逆手にいつも脇役でクールに決めるおばさん。
彼女を準主役に置くあたりいいセンスです。

マレーシアの外信報道現地カメラマンとして働くビリーは
ドワーフでありハーフであることで何重にもマイノリティであり孤高の存在。
共産主義(PKI)、華僑、ヒンズー、旧宗主国オランダ、イギリス、ベトナムで反共戦闘を繰り広げるアメリカ。
いずれにも属さず優越感を相手に与えることでどの情報とも接点を持つ存在、ビリー。
気に入ったオーストラリア外信記者に特ダネをとらせ、
その記者の野心と誠実さを手玉に取り、ついには窮地に陥る。
同時進行する共産主義的緊張に対しおこる軍事クーデター、
裏にある欧米の圧倒的経済、軍事的優位とアジアと憂鬱。
真実を報道することのできない報道記者たちの鬱屈。
ラブロマンス(ビデオにはそう紹介されている)としてはお粗末ながら、
その当時(1965前後の島嶼アジア)をしるために私には貴重な映像でした。
by tooya_3 | 2006-02-28 20:07


<< メモリーチップ事件勃発 冬の大三角 >>